あれはまさに悪夢であり、トラウマになった。
でも最悪に苦かったものの滋養に富んだ経験だった。
先生から「大失敗の経験をさせないために紐つきで
練習を続けて本番でだけはずしなさい」と助言されたのは
紐なし脚側行進だけのことだと思っていた。
それ以降の課目に「紐なし」という言葉がないからには
犬から離れるにせよリードは垂れていると思っていたので
本番でリードを先生に預かられた時は目が点になった
・・・と後日話したら競技会に出ている友達に爆笑された。
それだけで私の心構えの甘さがバレバレである。
通い慣れたフィールドで仲間と一緒に和気藹々・・・
そんなイメージを抱いていたのも甘かった。
しーんと張り詰めた空気が開始前から漂っていて
先生の奥様は必要な話をするのに声を潜める。
犬は出番以外は車で待機させねばならない。
他の受験者や審判の邪魔をしたと非難されてはと
私もその空気を壊さないよう固まった。
私の出番だ。まず難物のエリーを出した。
出した途端に興奮沸騰状態である。
「アジ練でしょ?どうして道具が出てないの?
何を皆でシケた顔してるのよ、早く走ろう!」
とにかく最初から最後までぎゃんぎゃん
何かの時に突然フィールドをキレ走りしたときには
もうダメだと思ったが
「呼び寄せて続きをやって」と言われて私も開き直った。
変身、鬼婆モード
「来いっ!」とドスを効かせて呼び寄せた後は
エリーの無駄なテンションを制圧すべく
怖い声でコマンドを出し続けた。
エリーは最後まで文句を言い続け、臭いをかぎ
各所で一触即発の怪しい空気を漂わせながらも
一応最後まで辿り着いた。
想定していた最悪の出来の10倍は悪い出来だった。
不合格を覚悟して私はエリーを車に放り込んだ
次はコルボだ。
「お前は真面目だからな。期待してるぞ」
と仰った先生の声から先ほどの惨事への失望が伝わる。
が・・・なんてこった!彼も汚染されて壊れていた
「エリーがすごく盛り上がってたじゃないか!
僕に隠れて何してたの?僕も頑張るぞ!」
坊ちゃまは明後日の方向に頑張ろうとしていた。
前半はエリー同様にぎゃんぎゃん吠えまくっていた。
彼と暮らしていて初めて見るほどの壊れっぷりだ。
それでも彼はキレ走りなどはせず、コマンドの2度がけ
程度で許してはくれたが、整然とした空気は皆無だった。
何かの課目を終えたコルボが私の斜め横にツケした時
「この子は普段はちゃんと出来る子だ。わかりますよ。
だからやり直して綺麗につけてみて。できるはずだ」
と優しい審判の大先生は言って下さった。
有難く感じると同時に、エリーは普段もあんなアホ犬だと
認定されたのかと思うと情けなかった
(大先生は先生の恩師にあたられる方なので
とんだアホ犬を試験に参加させたことで
先生が叱責されたのではと思うと申し訳ない)
コルボは後半に正気をやや取り戻してくれて終了した。
しょぼい成績で合格するだろうと思われたが
私はボロボロに疲れ果てた。
「エリー、合格ですよ。僕から10点下駄をはかせて」
と先生に言われた時、私は冗談を冗談と取れずに
あわあわと慌ててしまった。
あんなデタラメな内容でも要求されたことを実行したので
合格になるという。まじっすか?
私に無限のお金と暇と気遣いゼロの性格があったら
「ふざけるな!もう1回受けるから不合格にしろ!」
と暴れただろう。
合格の喜びよりも馬鹿にされたような屈辱を感じた。
さらに眩暈がしそうな気分にさせられたのは
後日送られてきた合格証書であった。
「EXCELLENT」って嫌味かよっっっ!!!
素晴らしい内容で合格したペアと同じでは失礼だ。
せめて「FAIR」と書いて下さい>JKC
それよりも見苦しい物をお見せしたことを
先生にお詫びする方が先ではあったが。



明後日の方向に向かっていきそう。
その前に訓練再開しないと!です。。。爆
ご理解いただけたでしょうが(爆)
「なめくさってデタラメな犬を連れてきたな」
と思われたくないのは飼主のプライドですわ。
モコやんはきちんと育ててらっしゃるから
大丈夫でしょうが、楽しく頑張って下さいね!