再びエリーの食事はふやかしたドライフード主体に戻った。
が、食に対する執着が乏しく、下痢や嘔吐は日常茶飯事だった。
無知で心配性だった私は近所の動物病院の常連になった。
少なくとも月1回は
(食の問題以外にも咳、くしゃみ、しゃっくりが1ヶ月ほど続き
軽度の外耳炎の治療にも数ヶ月を要した)
「フードよりもその紐を齧りたいのーっ!」
当時の犬日誌(この手のことが続いた試しのない自分だが
虚弱な仔犬のこと、いつ受診してもきちんと説明できるように
書き始めた。やめるとエリーが死ぬような気がして奇跡的にも
現在18冊目を書き続けている)を読み返すと
「ガツガツ食べた」「今までで一番いいウンチ」「快便」
という記載のある日もあるが
後から思うに「good」の基準が低すぎるだけだった
(とりあえず固体ならヨシとか
普通の
ガツガツ食べて本当の快便をしたのは6歳半以降のことだ。
ピカピカつやつや
ウンチってこんなに美しいものなのかと見惚れてしまった
フードは実名を記す。
伏字は気持悪いし、そのフードを中傷する意はないから。
エリーのことを体質が違う他の犬に適用するのは愚かだし
逆に、いいフードだから合わない訳がないと言われても
こちらも事実を記録しているだけなので遠慮するのは変だ。
要するにごくごく個人的な話ということだ。
最初はブリーダーと同じ銘柄を使うものだと本にあった。
ユカヌバだ。
エリーはこれの匂いに顔を背け、食べると下痢をした。
食べた量と生ゴミになった量とどちらが多かっただろう。
親元から買った袋がなくなり、近所で間に合わせに買った
アイムス、サイエンスダイエットも撃沈。
下痢以前の問題として殆ど口をつけない。
ソリッドゴールドはいきなり顔をしかめて逃亡する始末だ。
(確かにユニークな匂いだったような。遠い記憶だが)
ブリーダーに「広告が派手or激安フードは×」と言われており
近所のホームセンターのフードは買えなかった。
仕方なくユカヌバを取寄せつつ犬雑誌(当時唯一の情報源)を
読み漁った。
車で40分程のショップは勉強熱心らしいとあり、駆けつけた。
「ユカヌバはコロコロした仔犬を作るからブリーダーに人気が
あるんですよ。でも脂っこいから胸焼けするのかダメな子も
いるんですね。私は仔犬が必ずしもコロコロ肥っている必要は
ないと思うんです。犬は粗食がいいというのが私の考えです」
橇犬の育成にも関わっているらしい店主の説明だった。
「なるほど!」と思った。私自身も胸焼けしやすい体質だ。
その店が推奨するのは「フローム」というフードだった。
それに替えた途端、エリーは積極的に食べるようになった
絶賛とともに採用
(定期的な食欲&体調不良は続いたが、安定して食べるだけで
私達は満足だった。完全栄養食をきちんと与えているのだから。
不調のときはササミ粥を出せば喜んで食べて体調も戻ったけれど
ササミ粥では栄養が足りないからドライフードでなければ
が、1歳になってフロームの成犬用に切り替えた途端に
エリーが頑なに食べなくなった。
「ドッグフードを食べないのは甘やかしてオヤツをあげるから」
・・・という事態にならないよう、私達は馬鹿馬鹿しいほどに
「本や獣医師が推奨する正しい飼主の姿」を守り続けた。
本当に食べないのだ。
上記のショップはフローム専門だったので、今度は逆方向に
車で30分ほどの場所に新しくできたショップに行った。
吟味されたプレミアムフードしか置かないという店だ。
ロイヤルカナン。最初食べたが、どんどん食欲が落ちていった。
テクニカル。全く食べず、1袋全部がゴミになった
ナチュラルライフ。これは食べた。しかも長期間もった。
よその食欲不振犬でも「これなら!」という話があり
とても不思議なフードだった(笑)
定期的にくるササミ粥を必要とする日以外、これを食べ続けた。
その頃から彼女はディスク遊びを始めたが、貧相な体で
許せばいつまでも遊び続ける謎のタフネスぶりだった。
(1時間半ボール遊びを続け、強制終了とか)
それで充分なはずなのに満足しないのは人間の業である。
マナーレッスンの先生から
「フードには未知の有害物質が入っている可能性もある。
1種類だけに頼らず2〜3種類のフードを順番で使った
方がリスクを分散できるかも」と言われたことと
エリーの毛艶がよろしくないことで、私はもう1種類
食べられるフードを見つけてやろうと考えた。
ニュートロのナチュラルチョイス(ラム&ライス)は
どうだろうか。評判のいいフードだ。
おお、食べるじゃないか。よろしい、よろしい。
1997年年末のことだった。エリー2歳5ヶ月。



